上野へモネの展覧会を見に行く。
JR上野駅の公園口を出る。以前は改札を出ると道路を渡らなければならなかったが、近年、駅前を再開発して道路をなくし、改札前を広場のようにした。
駅の改札を出て、そのまま上野公園につながる空間ができあがった。
文化会館の脇を通り、パンダ橋と彫られた大きな石を左手に見ながら、会場の上野の森美術館へ向かう。
この美術館は産経グループが運営している。大手メディアはどこも美術展を主催しているが、美術館を持っているのは産経だけではなかろうか。
美術展の構成は、モネの画業生涯を見渡せるものだった。
印象派以前から、印象派に至り、晩年の作品までが網羅されていた。画家としてのキャリアをスタートさせたころは、サロンに2回入賞するも、その後はモネの画風とサロンの審査方針とがあわず、独自の展覧会を開き、それが印象派へとつながったのは有名な話だ。
モネは太陽光によって色彩が生まれることに気づいた。モネ以前の画家にとって太陽光は、暗いか明るいかであった。レンブラント式であった。強調したいところは明るくして、ほかは暗くした。
モネは自然に生まれる色彩を描こうとした。しかもその色彩は太陽光の反射によって生まれているものであり、太陽光は刻一刻と変化するから、反射の具合も刻一刻と変わる。
モネは、その変化をキャンバスに生み出そうとした。それは絵画史において、画期的な偉業であったけれど、モネにとっては苦しみが始まった瞬間でもあったろう。
モネの生涯の作品を通覧して、そう思った。
