彼が幕張メッセへ行くのは4年ぶりだろうか。
千葉県が誇る国際コンベンションセンターである幕張メッセ。1989年に開業した。
いまは国内各地に本格的コンベンションセンターがあるが、幕張メッセの開業した当時は、国内には本格的コンベンションセンターはなく、幕張メッセが唯一の国際的コンベンションセンターであった。
その後、東京ビッグサイトが開業し、稼働率が低下したことがあったが、近年は音楽やゲーム関連のイベントが多数開かれ、再び存在感を増してきている。
彼の家から幕張メッセへ電車で行くには、3つルートがある。
ひとつは、JR総武線各駅で幕張本郷駅へ行き、そこから京成バスに乗る。
ふたつめは京成線で京成津田沼駅乗り換え、幕張本郷まで行く。そして京成バスに乗る。
3つ目はJR総武線各駅で西船橋駅に行きJR武蔵野線に乗り換え南船橋駅へ。そこからJR京葉線に乗って海浜幕張駅まで。そこからは歩いて幕張メッセに行ける。
きょうは京成線を使ってみようと、彼は思った。久しぶりに京成津田沼駅に行ってみたかったからである。
京成津田沼駅は、成田方面へ向かう京成本線、千葉やちはら台へ向かう京成千葉線・千原線、そして新京成線が乗り換えられる、京成電鉄の千葉におけるターミナル駅だ。
駅は便利なように改築しているところが多いが、基本的には古い施設がそのままであり、ホームは特に趣がある。
彼は近年、俄かに鉄道への関心が高まった。世にいう「てっちゃん」である。
彼は小さい頃から鉄道に興味があった。小学校にあがる前は、近所を走る鉄道を父親と見にいった。いや、親が連れて行ってくれたというべきであろう。
多くの男の子たちは、小さい頃は鉄道が好きである。でも、成長するにしたがって、鉄道は単に移動のための道具とみなしていく。
しかし彼は鉄道への関心は途切れることなく、小学校の高学年になると、鉄道模型が好きになった。クラスの中のH君も鉄道模型が好きだった。ふたりでよく鉄道模型を見せ合った。
H君はとても器用だった。厚紙を使って、東武鉄道の特急きぬ号の模型を自分で作った。
きぬ号のボンネットや運転席付近の複雑な構造も見事に拵えてあり、彼は見せてもらって、H君の技量に驚き、尊敬の念を抱いた。小学校5年生のときである。
中学に入ると鉄道への関心は薄くなり、鉄道趣味とは疎遠になった。
それから40年ほどがたち、再び鉄道趣味が再燃した。
幕張メッセではCEATECが開催中であった。
